嫌いなもの

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「で、でも、嫌がられたりしていませんか……?」 なんでッ、俺はッ、まだ続けてしまうんだろうかッ。 もう十分収穫は得られたし、そもそもこの2人が怖すぎるからさっさと撤退した方がいいとわかっているのに、何故か口が勝手に開いた。 欲望が自我を失って暴走し始めているのかッ!? 自分の制御下にない欲望とか怖すぎるッ。腐男子怖ッ。 でもその気持ちもわかるッ。まだまだ知りたいよなッ。知れるなら知れるだけ知りたいよなッ。わかるぞッ。 「…………抵抗されなかった、といえば、嘘になる」 「それならノーカンですよ!事故でもなく軽いキスでもなかったとしても、抵抗されたならノーカンです!やっぱり俺が責任取るしか……!」 ああ、また勝手に口が。 もうどうにでもなれ。 たぶんこの欲望は、満たされない限り暴走し続けてしまうんだろう。感覚的に「もうそろそろ腹一杯になりそう〜」と言っているし、今誰かが声を上げようが上げまいがこれで流石に終われるだろう。 (………言ってしまったものは仕方がないから、せっかくなら誰か声を上げてほしいな……萌えの情報が欲しい………) どこまでも貪欲な自分がそう思っていたところ、今度は別の人がザッと一歩踏み出してきた。 どうやら運は俺に味方してくれているらしい。日頃の行いを良くしておいてよかったッ。 「事故でもなくて軽くもなくて抵抗もされなかったらいいんだろ!? 俺がしてるからもうお前は引っ込んでろ!」 「え?」 「え!?」 「え………?」 嘘、まさかのお前ッ!? 親友ヅラしておいて、しっかりキスしているのかよッ!?!?
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