乙女地獄

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「ディートヘルム様、アーデルハイドを抱いてください」  「抱いてください」とはそういう意味か。だが何故、そんなものが美雨のうちにあるんだ。  私の困惑を知ってか知らずか、美雨はじっと見つめている。 「これは何だ?」 「見ての通りですわ」  それは、見ればわかる。わからないのは、何に使うのかだ。 「えーと、私がこれを付けて美雨を抱け、と?」 「いいえ、私はアーデルハイドです」  美雨は真剣な眼差しで私を見据えた。美雨は完全になりきっていた。  アーデルハイドはディートヘルムに向かって「抱いてくれ」なんて言うだろうか、そもそも没落令嬢は全年齢対象だ。そんな台詞を言うこと自体、想定外のことだった。 「どうしたんですの?早くしてくださいまし」  美雨は急かす。私は逆らいがたいものを感じた。というのも、私は興奮を覚えたからだ。 「衣装、脱いだ方がいいよね…」  私はすっかり乗り気になっていた。 「いいえ、その上におつけください」 「でも、衣装が…」 「構いませんわ」  美雨はにっこりとした。この笑顔には抗えない。私は言われた通り、衣装の上にペニバンをつけた。
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