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☓月11日。
12:00p.m.
12回、時計の鐘の音が鳴り響く。
エラはいつものように公園に行き、未来とランチをしてオフィスに戻り、今日のプレゼンテーションの準備を始める。
3:00p.m.
エラと原黒姉妹は映像制作の依頼を受けたオフィスに向かい、プレゼンテーションを行う。一部の調整依頼を受け、オフィスに戻る。
映像制作を依頼した会社は創業100周年になる会社で100周年の記念にとプロモーション映像を依頼したのだ。その会社の会長はエラたちが制作した映像をとても気に入ったようで、明日開催される会社の記念パーティーへと招待される。
6:11p.m.
エラは仕事を一時的に抜けて明日のパーティーへ来ていくドレスを探しにお店へ向かう。お店に入ろうとすると前から未来が歩いてくるのが見える。
「こんばんは! 未来さん!」
「こんばんは! エラ! こんな時間になんて珍しいね? 早く仕事が終わったってことはプレゼンテーションが成功したってことかな?」
「はい! 未来さんのアドバイスのおかげで(プラスアルファで……)なんとか成功しました! 貴重なお昼の時間に色々とありがとうございました!」とエラは深々と頭を下げる。
「こちらこそだよ! ありがとう、エラ! エラの明るい笑顔で僕もいつも元気をもらっていたんだ! エラが好きなことをやって笑ってくれるだけで僕は嬉しいよ!」
二人が良い雰囲気なところで魔美は未来の頭をポコンと叩く。
(そんなことより、ディナーを誘いなさい!)
(おばあさま、順序ってものがあるからあまりせかさないでくれよ)
「エラ、お祝いにディナーでもいかがですか?」
「あ、えっと嬉しいお誘いなんですが仕事がまだ終わってなくて戻らないと行けないんですよ。それに明日、パーティーがあってドレスを準備しないとで……」
魔美はお店の方を指差し(一緒に行きなさい!)と言う。
「それでここのお店の前にいるんだね! 僕も一緒に行っていい?」
「え? ああ、ご迷惑でなければ一緒に行ってもらえると助かります。ドレスって買ったことなくて」
「そうなんだね! ではお手を拝借! お姫様! なんて」
エラは未来と手を繋ぎ、お店の中へ入っていく。
そして未来がエラに似合うドレスと靴を選びプレゼントをする。まだ時間があるということで二人はディナーを楽しんだ。別れ際に未来からデートのお誘いを受け、エラは嬉しさのあまりスキップをしながらオフィスに戻っていく。
10:22p.m.
エラが会社に戻るとオフィスには誰も居なくなっていた。オフィスに戻ってから別件の仕事に取り掛かっていたが、エラは会社を出る前に調整した100周年記念の映像をレンダリングしていたのを思い出し動画を確認する。再生すると真っ黒な画面に音もついていない映像になっていた。エラは自分のミスだと思い再度レンダリングをしようとするが元データが消されていた。そんな嫌がらせをするのは当然、あの原黒姉妹。エラはパソコンにデータが残っていないか探すことにする。
エラはデータを探したがすべて消されていた。途方に暮れるエラ。
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