絞首台の朝

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「今後何が起きようとも、お前の行いは神と人道に対する罪だ。死者への侮辱であり、私利私欲以外の動機ではない純粋な犯罪行為だ」  色黒の兵士は論点を変えることにする。どんな論理を振りかざそうが、こいつは盗人猛々しい犯罪者でしかない。そのはずだった。 「近いうちに、全ての規則、全ての概念、全ての正義が役に立たなくなる、そんな嵐の日が来る。俺たちにできるのは、その日が来ることに怯えながら、自分だけは嵐に飲み込まれないために僅かながらでも準備しとくことだけだぜ」 「俺に言えるのは、その日がいつ来るんだろうが、お前がその日を生きて迎えることはないってことだけだよ」  今度はこの死刑囚をやり込められたようだ。色黒の兵士は小さく安堵する。  夜が明ける。  雲の上では、汚れた日の光が罪の大地を突き刺そうとその刃を研いでいるはずだ。  運命の朝が来る。
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