14人が本棚に入れています
本棚に追加
言い訳は出来ない
涼は、母親と父親との三人暮らし。
両親は、近所に住むパートのおばちゃんと3人で、小さな街の中華屋を営んでいた。
涼が、店の2階にある住居でテレビを見ながら宿題をしていたある日。
突然、大きな声や叫び声のよなうな騒がしい声が、1階の店から聞こえて来た。
涼は、急いで階段を駆け降りると、信じられない情景が目の前に飛び込んで来た。
「お父ちゃん! どうしたの? 起きて!」
涼は、大声で叫んだ。
父親が、厨房で母親に抱えられ仰向けに倒れていた。
母親は
「大丈夫! 大丈夫! お父ちゃんは大丈夫だから!」
自分に言い聞かせるよに呟いていた。
店の外では、パートのおばちゃんが道路に出て、手を大きく振っていた。
そこに、ピ―ポ ピ―ポとサイレンをけたたましく鳴らして救急車が到着した。
「こっち、こっち。急いで!」
救急隊員とおばちゃんが、店にバタバタと入って来た。
最初のコメントを投稿しよう!