立たされる

3/3
前へ
/30ページ
次へ
3人各々が家に着いた。 涼の家では母親が 「あれ? 今帰ってきたの? お昼は?」 「まだ食べてない。なんかある?」 涼は、何も言わずに、出されたおにぎりに大口をあけてぱくついた。 おにぎりを持った手に、大きな瞳から涙が一滴落ちた。 思わず、こんなことで泣くまいと目元を吹き払った。 確かに調子にのって悪ふざけをした私も悪いけど、何時間も立たされて無視されるほど悪いことだったのか? 納得がいかなかった。 学校って、そんなに厳しい場所なのか? 行くのが少し怖くなった。 でも、母さん父さんには心配かけたくないから、明日も行くしかない。 私は、泣かない! 文とボクチンも、親には何も言わなかった。 翌日、足取りも重く、3人はそろって学校へ行ったが、担任は何事もなかったかのように、昨日のことは一言も言わず、授業は始まった。 やっぱり忘れられている・・・・
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加