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「今夜は、荘内トンネルに来ています。リスナーさんからの情報によると、地元でも有名な心霊スポットで、トンネルでは女性や子供の霊が現れる。トンネル先の曲がり角は事故多発地点となっているそうです。準備が出来たらトンネルを歩きひとり検証します」
パキッ…ザッ、ザッ
「ん…？」
一瞬背中が粟立つようにゾッとした。それはこの仕事を始めて初めての感覚。
だが、周りを見渡すもスタッフ以外誰もいないし、ただのんびりと鳴く虫の声が聞こえるだけ。
荘内トンネルは、このうっそうと茂った森の山道を200メートルほど歩いた先にある心霊スポットだ。
さっき、定点カメラ設置のため歩いて来たけれど何も起こらなかったし、何も見ることもなかった。だから、こんなただの森に出るわけがない。
まぁ、俺は霊なんて見えないんだから、当たり前だけど。
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