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「ユウ?どうしたの~?」
「いや、なんでもないよ。動物の足音だろ」
「うっそ~何も聞こえなかったわよ。もしかして、霊が視えた!」
「それは、ない!」
「そうよね。ユウ、霊能力ゼロだもんね」
俺は、 目黒 悠太 25歳。霊を見たことはこれまで一度もない。家の家族はみな霊媒体質だというのに、どうやら俺は、親父の血を継いだみたいだ。
職業は元ホテルマン。このコロナウイルス流行のご時世で海外からの旅行客が激減、職を失った。そして、お家時間を過ごしていた時に中学の同級生で同じホテルマンだった石城 浅香から顔と声がいいからユーチューバ―にならないかと誘われた。
でも、ゲーム配信でもなく歌ってみた配信でもなく、どうして心霊スポット巡りなんだと聞いたら、霊を視たいから……らしい。
浅香は霊感が少しあり、スイッチなるものをONにすると霊の気配を感じるそうだ。それをまわりに言っても誰も相手にしてくれないし、奇人扱いされる。そんな中見た芸人の心霊スポット巡りの動画に嵌りやってみたいと思った訳だった。
と言っても、この2年儲かることなく。再生数は伸び悩んでいて、登録者はようやく9000人を超えたというところ。
「それでね。やっぱり登録者を増やすには人気な人とのコラボが必要なわけで」
「また、妖しい霊媒師かよ」
俺はため息をついた。
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