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case2大好きだから別れるの
黒い普通車に乗り込み、運転席でガムをクチャクチャ噛みながら目的地へと向かう。アタシは後部座席で、中古のスマホのライン【瑠衣】になる。
「煙草吸わないの?」
「マナーはわきまえてんだよ」
依頼人は十代の少女、仲良しの友達と別れたい理由って男関係で揉めたとか、それとも、保護者同士の仲が拗れたとか?
「なんで別れたがるんだろ」
大切だと思っていた。何かのきっかけで、すれ違い勘違いしたままかもしれない。黒木はガムを紙に捨て丸めながら、ゴミ箱に捨てる。ルームミラーでアタシを見つめて。
「俺たちは余計な勘繰りはしない。ただ別れさせられればそれでいい」
「そうなんだけど」
もし、宮村くんがアタシと別れたいと言ったときアタシは縋るのかな。どうしてと訊ねるのかな?そんなことになりたくないけれど、いつすれ違うなんて誰にもわからない。
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