ダウナー

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 こうも面倒くさいとさ、色々、思うところもあって。  億劫だけど重い腰を上げて買いに行ったコンビニのパン。  このパンもさ、あらゆる面倒くささの塊かもしれないって。  農家の人が、「あー、今日だけは無理」って思いながら小麦育てて、パン工場の人が、「ライブの次の日に出勤すんの地獄」って思いながらこねて焼いて、物流の人が、「あのクソ上司め」ってイライラしながら運んで、コンビニ店員の人が、「今日こそ辞めるって店長に言おう」って思いながら売ってくれたパンかもしれない。  そう思ったら、泣いたよね。  四個くらい入ってる小さいクロワッサン、めちゃくちゃ美味しかった。  何が言いたいのかわかんないって?  ごめん。  とにかくさ、あなたもその面倒くさいの輪の中に、面倒くサークルの中に入ってるんじゃないかって思ったの。  あなたが面倒くさそうに開けた目と、あなたが面倒くさくも吸った息のおかげで、私が嬉し泣きした夜があるってことよ。    そうは言っても、人生ってかったるい。  日に日に身体は重くなる一方で、お皿洗うのも、洗濯物畳むのも、正直お風呂入ることすら面倒くさいね。  私ね、自分のメンタルがどんな状態かチェックする時、明日急に『夢の国』に行けるか?と心に問いかけて判断してるの。  夢の国に行ってチュロスとかポップコーンとか食べられるかで決まるの。  今はね、全……っ然行きたくない。  頼まれても行かない。  百万円貰えても行かないと思う。  信じられないでしょ?  それくらい重いの。全てが。  でもね、最近考えるんだ。  重いって、一番真面目に生きてるってことじゃないかって。  重力に逆らってないんだよ。  だから一番、地球の言うことを聞いてるの。  だから重くたって面倒くさくたって、私はちゃんと生きている人。  あなたもね。  じゃあ絶対返事書いてよ。  いつまでも待ってるから。  どうか重力に逆らわないでね。
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