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豹変
僕は、今まで演じていた“理人くん”を脱ぎ捨てた…。大人がいる時は、しなかったこと。
眼鏡を、その場に投げ捨てる。
前髪をグシャグシャとかきむしる…。
雰囲気は、瑛人だ。
そして、
「何、考えてたんだ…。」
と、凄む。
腹黒全開…。
自分でもイライラが止まらない。
莉子の目の前に立ち、
「何が、気に入らないんだっ!」
と壁を右手で、“ドンっ…。”と叩く。
ビビる、莉子。
祖母が言う。
「理人、やーっと、本性が出たわねぇ。これが嫌みたいよ?かなり、裏で、今みたいに、暴れていたようだけど?」と。
俺の耳には届かない…。
「おいっ!莉子!これから、どうするんだっ?瑛人は、どうなるんだっ?!」
怒鳴り声を上げ、怒りを上乗せした俺…。
すると、隣部屋から瑛人が、すっ飛んで来た。
「理由は?莉子。」
と、瑛人が優しく問いかける。
莉子限定の語り口調で。
黙る莉子。
「莉子ちゃん、私に言った事、2人に話しなさいな…。」
深呼吸して、
ゆっくり向きを変え、莉子が怒鳴りながら話し始めるた。
こっちも相当な迫力。
「この状態が嫌なの!2人がいたら、友だち出来ないっ!2人共ヤクザみたいに怖いし、束縛強いしっ!」
言いながら、わんわん泣き出す莉子。
「もう、分かったでしょ?今日は、帰りなさい!」
祖母が莉子を連れて行く。
蘭と凜は、見てはいけないものを見たような表情を向けて、莉子の後について行った。
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