使えるものは何でも

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使えるものは何でも

こっちも幼馴染み同士で仲良し。 陽葵が尋ねた。 「莉子お姉ちゃん、早く帰って来ないかなぁ?陽葵、髪の毛、直して欲しい。」 「まだ、帰れないよ?ばあちゃん家に居るし…。」 言った瞬間、固まる桂樹…。 陽葵相手に、素が出た。 すぐに僕は、優しい兄の仮面を付け、陽葵を誘う。 「じゃ、おばあ様の家に、今から行こうか?」 「うん!」 桂樹は、顔面蒼白。 『莉子に釘を刺されていたのか?』 『俺には言うな、と。悪いな桂樹…。情報、サンキュ!』 タクシーで、祖母宅へ。 陽葵と一緒に、 「「こんにちは~!」」と挨拶。 祖母が出て来た。 「あら?珍しいコンビねぇ~。ママは?」 「ママは居ません。」 「陽葵、莉子お姉ちゃんに会いに来たの。おばあちゃま、どこぉ?」 「なるほどね。変な所でやっぱり…、賢いわね…。」 『誉めてないだろっ!』 「陽葵が、莉子に会いたいというから。入ってもいいですか?」 「後、少しで終了よ…。」 「莉子、蘭ちゃん、凜ちゃん、いらっしゃい。」 全力ダッシュし、ぎゅっと抱きつき、「莉子お姉ちゃん。」 と甘える陽葵。 陽葵の髪の毛を撫でている莉子に、 「莉子、そろそろ教えてあげたら?」 とおばあ様。 「フゥ。」 とタメ息をつく莉子。 心配そうに見守る、蘭と凜…。 対峙する僕。 「まだ、話したくない…。特に理人には…。」 ジロッと睨んだ。 『えっ?何で?』 この日は、これ以上分からなかった…。
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