おかあちゃん

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   「昨日の新聞でも   健介(けんすけ)ちゃん、   政府にモノ申してたなあ」  本日法事には欠席の健介は  その嘉健の息子で  憲法学者で鳴らしている。  まだ十三ほどで、あの戦争の全貌を  理解していた嘉健は  法科を卒業()た後は弁護士となり、  戦後景気の片隅で  貧困に喘ぐ人々を  救うため奔走した。  「“召集令状”を   “死神葉書”なんて   嫌味言うたら   警察へ連れていかれる   時代やった…」  ネットで好き勝手が  書き込まれている昨今を  佐和子達は不思議な気持ちで  眺める今日此頃。       
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