3人が本棚に入れています
本棚に追加
/422ページ
「クラスのみんなには内緒ですよ?」
傍らの陸攻にえへへと笑いかけながらカナカ。
因みにこの場合のクラスとは、学校の其ではなくエインヘリャル志願者という『階級』を指している。
確かに現役エインヘリャルと勇魂志願者がかつて同じ師の元で学んだ姉妹弟子であるとツヴァイゼ分隊の皆以外に知られてしまう事は、其が原因でツヴァイゼ分隊が後々面倒な事態に見舞われてしまう事に繋がりかねないのだ。
マミルの隣で勇魂ビショップがカナカの言葉に何度も頷いている事からも、其を窺い知る事が出来る。
「さて、次は俺が大尉に御礼を言わせて貰おう」
「???」
勇魂ビショップの言葉は、陸攻にとって手荒く意外なものであった。
陸攻と彼は先日の挑戦状の試練が初対面の筈なのだが…
「勇魂ジョナサン=ビショップ。
御言葉ながら…」
「まあ聞いてくれや。
あと俺の事はジョニーでいい。
だからリックでいいだろ?」
「了解致しましたジョニーさん。
私の事はどうぞリックと御呼びくださいジョニーさん」
「おう。
話を戻すぜ?
リック。
何年か前の冥界鉄道列車爆破未遂事件は知ってるだろ?
その時俺はまだエインヘリャルになる前でよ。
…あの時リックと同じニホン人の旦那が命懸けで爆弾魔をブッ飛ばしてくれなかったら、今頃どうなっていたか分からねぇ。
なあ、どんな事でもいいから、あの鉄路の英雄について何か知らねえか?」
最初のコメントを投稿しよう!