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何しろオーディーン率いるエインヘリャルのラグナロク…世界の終末戦争の仮想敵は神々や怪物そして化物。
高威力な半面移動や設置/撤去を含む運用・取扱・破損時の修理、更に定期的な整備点検と部品交換そして弾薬や潤滑剤の補給に其なりの熟練と技術そして時間が要求される重火器並びに軽火器と比べた場合、同じ或いはそれ以上の高威力でありながら先述の手間をある程度省ける剣や魔法の側が重用尚且重要視されている事は、決して非合理的等ではないやり方だと言えるだろう。
勇魂マミルが銃砲を武術でも武芸でもなく趣味と言ってのけた点は、如何にもヴァルハラに暮らす現役エインヘリャルらしい考え方だと言える。
因みに勇魂マミル、駆け出しエインヘリャル時代のフナサカ卿と闘う迄は、銃砲は運用次第では有効なれど次弾装填迄の隙が大き過ぎる上に、取扱いに一定以上の熟練を要する使い手を選ぶ武器と認識していたそうであった。
「ところで大尉。
貴方の終陣(ついじん)は硫黄島でしょうか?
其ともペリリュー島でしょうか?」
陸攻が今初めて耳にした文言である終陣とは勇魂マミルの説明に拠ると初陣と対になる文言で、彼女の知る限りではヴァルハラ特有のものだそうである。
其の意味は読んで字の如く、対象者が最期を迎えた或いは最後に戦った戦場であるのは言うまでもなかった。
この質問に対し、陸攻は手荒く正直に答える。
「どちらでもありません。
バカ勇者との決着すらついていない今、その終陣自体が一体何時になるのやら見当の付けようがないのです」
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