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ムジーフとマミさんについて話していた時とは顔付きと声色を一変させて陸攻。
勇魂マミルは辛うじて面には出さなかったものの、目の前にいる陸攻が温泉に浸かっているツキノワグマから一瞬で神獣フェンリルに変貌したかのように感じていた。
これ以上この話題を続けてはいけない…
…もう1人の自分が頻りにそう警告している。
(ツヴァイゼ殿が言った通りね。
リクオ=イッシキは大の仲間思い。
時として、自分そこのけで仲間の事を考える漢。
エインヘリャル向きなのは間違いないわ。
恐らく今もただ表に出さないだけで、心の中では大事な人たちの事を…)
心の中で勇魂マミル。
やがて彼女の脳裏にはフナサカ卿と仲の良い、ペリリューなる珍しい名前の島にて終陣を迎えたという若手エインヘリャル…通称オニオウゼキの顔が浮かぶのであった。
若手勇魂オニオウゼキは見習とはいえエインヘリャルの一員となった今も、住む世界を異にしてしまった愛妻の事を心配しているのだろうか…
(!
…私もまだまだ、ね)
再び心の中にて勇魂マミル。
もう1人の自分とはいえ自ら言い出した事をこれ以上翻すなど、今や中堅エインヘリャルの一員となった誇りが許さないのだ。
「話は変わりますがリックさん。
その…
ルー帝国若しくはガ帝国の民の一部に、私の名前…
…マミルを縁起でもない意味の言葉として用いている者がいるという噂は本当なのですか?」
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