レ6月26日投稿予定原稿。

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 1日の鍛練を終えたラミレスはまず浴場にて汗を流し、夕食を摂るべくラルセント城構内食堂に足を運ぶ。 シゲヒサから修行の理由を聞かされていないのだろう。 幸か不幸か食堂で陸攻の姿を見かけるや、ラミレスは罵倒の後詰問してやる… …つもりであったのだが、寸出の処でそれらを思い止まっていた。 何故なら飛行服姿の陸攻は、たった今不時着した軍用グリフォンの腹の下から這い出して来たようにしか見えなかったのだ。 エルフであるマリア手縫いの飛行服は加護ゆえか独りでに治りつつあるものの、鋼の篭手(スチールアーム)も鋼の脚絆(スチールレガース)も傷や凹みだらけ。 特注品のモンコン(正確にはシュシュ…頭部を砂漠の熱から守る為に巻く丈夫で軽い布…留めバンド。因みにどちらもナーゼル商会店舗にて戦友価格で購入)に至っては、金属部分は傷だらけで金属部品と金属部品とを繋ぐ革バンド部分はちぎれかけているわ傷だらけだわという有り様であったのだ。 いずれも鷲屋(軍用グリフォン舎の別称)仕事に十分耐えられる代物なのだが、其が御覧の通りというコトは……… 「リック… まさかお前も辺境伯に?」 「当たり前だろラム。 俺は督戦隊でも政治将校でもない」
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