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ト2
先述の通りイアンヴェはつい最近迄誰の領地だときちんと定められていなかったのだが、その為カシム飛行場拡張に関する上申書がイヴァールとシゲヒサ各々の元に届くなり、賠償責任の奪い合いと領地の擦り合いを始めてしまった一幕があったりする。
その時のやり取りを一部抜粋すると…
『あほやなぁ。
だいたいやで伯爵?
ここ300年くらい、自分領地にいてへんやんか。
ドエスのダボと腰巾着共はわいに直接なんもしてへんさかいに、連中のせいで損してまう程アホやない。
せやさかいに、賠償責任なんてとんでもないこっちゃで?』
『確かに領地にはおらんやったが、親として領主としてそげん訳には行かんよ伯爵』
『ほな、こう考えてみ?
ワイはほんのめめくそ程も損してへんさかいに、賠償もなんもあらへん。
サキちゃんにイチビったマネし腐りよったクソダボは、大尉たちがキッチリ落とし前つけさせたったさかいに。
それでも…っちゅうなら伯爵。
ドエスのダボ一味がメチャクチャにしてもうたイアンヴェを彼処まで立ち直らしてくれたんは、アリーム殿とムジーフ殿とナーゼル商会の皆、そして一式ペアの皆のお手柄なんはイラブーちゃんから聞かされとうやろ?
その功績を正しく評価し義勇隊の後ろ楯になったる事も、立派な責任の取り方やないけ。
義勇隊の、いいや、義勇隊も含めたイアンヴェの民の後ろ楯になったる事が、自分の取るべき責任尚且賠償責任やでシゲヒサ=テイルウィップ辺境伯?』
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