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熱に浮かされたような顔をして、真剣に俺の中を解している隼の姿に心臓が跳ねた。
「んっ……はっ…ぁっ…んぅ」
中で二本の指がバラバラに動き出す。
ケツの穴に指を入れられて、こんなにも感じてしまっている自分が信じられない。
不意に隼の顔がこちらへと移動してきて、つい至近距離で見つめてしまう。
「琉、手どけて」
きっと情けない面をしているだろう自分の顔を見て、余裕を無くしている隼に、愛しさが増した。
けれど、手を退ける気にはなれなかった。
中からの刺激が止まずに訪れている。
前が切ない。
今手を離したら、前を触ってくれと懇願してしまいそうだ。
口を押さえている手に口付けを落とされて、眉を八の字にしながらも熱の篭った隼の目を見返す。
「キスしたい。琉。お願い」
ペロリと指を舐められて、一瞬で頭を鷲掴みにして隼の唇で自らの口を塞いだ。
激しく絡み合う舌の動きに、興奮が増す。
上顎を舌で撫でられれば、鼻にかかった声が口から漏れた。
「隼…も、そこ…んっ……や、だ」
「ここ?」
「あっーーん…」
グイッと強めに押されて、厭らしい水音と共に体が大きく跳ねる。
「や、……へん、なる…」
「ん。も、入れていい?」
耳元にキスをしながら尋ねられて、熱にうかされながら隼を見る。
「ん」
口でコンドームの袋を開ける姿が、やけに様になっている。
脱力してしまいながら、色っぽい隼の仕草を見つめていた。
グイッと膝裏を持ち上げられ、視線が混じり合う。
反対の手で手を引かれて、隼の首へと誘われる。
両手で隼に捕まり、短いキスを交わす。
「痛かったら、すぐ言って」
後ろの窄みに隼の自身を宛てがわれ、あまりの熱さに腰が引けそうになる。
ゆっくりと中を無理やり広げられている感覚に、隼の首元で強く拳を握りしめた。
歯を食いしばり、目を強く瞑る。
怖いとか、そんなんじゃないけれど、味わったことのない異物感に、体が硬直してしまった。
「琉……少し、力…抜ける?」
「ハッ…ハッ……ハァッ……ん、…やり、かた……わかんな…」
「痛い?」
「いた、くは……ない…」
「ん。じゃ少し深呼吸して」
隼の静かな声に従って、細く息を吐く。
ゆっくりと目を開けば、目の前に余裕の無さそうな隼の顔が合った。
「そ。じょーず」
俺の顔の脇に肘を付いて、頭を優しく撫でてくれる。
その安心感で、ふっとさっきまでの変な緊張感が消え去った。
右手で隼の頬を撫でると、俺の手に顔を擦り寄せて来る。
まるで猫のようなその仕草に小さく笑ってしまった。
「もーちょい、我慢できる?」
「ん。大丈、夫」
チュッと俺の額にキスをしてから、隼の物が再び中を押し進んでくる。
「は、ぁっ……あ」
徐に、いつの間にか萎えてしまっていた俺の中心を扱かれて思わず顔を伏せた。
瞬間、一気に隼の物が中まで入り込み、その衝撃に目を強くつむった。
「ハァッ……、琉?…大丈夫?」
「ん、…だい、じょぶ」
押し広げられているような、変な感覚はするけれど、痛みは無い。
心配そうに俺を見つめる隼の姿に、荒れる息の中で笑みを浮かべた。
瞬間、目の端から涙が溢れ落ちたのが分かった。
ポタリと、俺の顔にも雫が落ちてくる。
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