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空白の隙間を惜しむように、君は予定を埋めていく。
この週末は、お揃いの手帳を買いに行くんだ、って。
だけど、どんな手帳を選んだところで、
君を見送ったあとに残される空白を
埋めることなんかできない。
次の季節を迎える前に、君はここを発つ。
近づいてくるタイムリミットの存在を
ページをめくるたびに、いつも感じていた。
「新しい手帳を買う」と書かれた今年の手帳。
11か月分のふたりの約束が刻まれている。
君と過ごしてきた時間があふれて、
今にも滲んでこぼれ落ちそうだ。
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