1 第1章 破滅の星

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1 第1章 破滅の星

その星はすべてが砂礫(されき)でできていた。荒涼とした景色がどこまでも広がっている。そこはすでに、破滅を迎えていた。 人類が誕生し、もうすでに一万年以上が過ぎた。最初は緩やかに、そうして加速度的にその生存権は拡大し、やがてこの辺境の星までそれは及んだ。 地下資源の豊かなところだった。荒涼とした地表とは異なり、そこには人類を何代にもわたって養うほどのがあった。辺境ではあったが、人々はそこに殺到し、都市を築き、繁栄した。そうそれは、ある時期まで…。 最初は些細な気候変動。そして度重なる地殻の崩壊。やがて資源が底をつき始めると、すべてが狂いだしていく。それは――この星を管理していたシステム――『アクシズ』が狂いだしたせいだ。 その星は、滅びに向かっていた。
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