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飲み友達
若い頃、私には楽しい友人が多かった。
友人A
ある日、久しぶりにAから買い物に付き合ってと電話が来た。
その頃京都に住んでいた私は京阪電車で大阪淀屋橋ヘ。
改札口でAと待ち合わせ、道頓堀迄アーケード商店街を散策。
おしゃべりをしながらのウインドショッピングを、楽しみながら歩いた。
彼女はB型のマイペース。
対する私は典型的なA型タイプ。
私がちょっと目を離すと、彼女は私に構わず店の中入って品物を物色。
その度に私は彼女を探した。
丁度グリコの看板で有名な橋の上を通った時だった。
私は又彼女を見失う。
慌てて探すと、男の人と笑いながら話している。
声を掛けて良いものかと見ていると、私を見つけた彼女が 話し相手に手を振って私の元に戻って来た。
[もう良いの?
何ならここでお開きにしようか?買い物は又でも良いよ]私がそう言うと彼女は笑いながら答えた。
[大丈夫、ナンパされてただけだから]
[えっ?ナンパ!]
[うん!
あの人ね、
彼女~暇ならエッチしない~って言うからね、あー残念!
今、目一杯してきたから結構よ!って言ったらね、スミマセンって謝るから、今度飢えてる時に又誘ってねって言ってやったの]
そう言うと満面の笑みを私に向けた。
その時私は、彼女の事を(凄いなー)と感心。
もし私が同じ事を言われたら、せいぜい 無視してその場を逃げ去る事位しか出来ないだろうと思った。
相手をさらっと交わせる彼女が本当に羨ましかった。
あれから幾年…
あの後彼女とは何となく会わなくなり、今はどうしているのか…
たまに大阪に行く事が有ると、あの頃を思い出す。
きっと元気でお洒落なお婆ちゃんに成ってるんだろうと思い、いつか又縁があれば逢いたいなと微笑む自分に、(私も歳だなー)と空を見上げた。
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