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「…あ…っ」  胸の先を軽く撫でられて身体が捩れた。  下腹に熱が溜まっていく。  どんどん気持ちよくなっちゃう。  キスしながら耀くんが笑ったのが分かった。 「…碧、自分でしてないの?」  もうこんなになってる、と軽く撫で上げられてびくりとした。 「だっ、だって…」  見下ろされて、頬が焼けるように熱い。 「俺とするまで、我慢しようと思ってた?」  額と額をくっつけて覗き込まれて恥ずかしい。  唇を噛んで見上げると、耀くんは切れ長の目を見開いた。 「やっばい、可愛い。可愛すぎるよ碧。その顔は反則…」  そう言いながら、また僕にキスをする。  深く唇を合わせながら、耀くんが僕のベルトを外した。 「…んっ…」 「今日は碧だけ、ね」  すぐにまたキスで唇を塞がれた。  ズボンのボタンを外されて、下着の中に耀くんの手が入ってくる。  心拍がどんどん速くなって苦しい。  大きな手で握られただけで先端が濡れてきてしまう。  服を着たまま、そこだけ出されて恥ずかしい。  声が漏れないようにキスで唇を塞がれて、上下に手を動かされたらもう、あっという間に頂点が見えてきた。  気持ちがよくて、全部どうでもよくなってきちゃう 「…っ」  僕がいくタイミングを見計ったみたいに先を手で覆われた。  耀くんの手に出しちゃった…  やっと唇を解放されて、はぁはぁと息をついた。  息が苦しかったのと恥ずかしいので、顔全体がすごい熱い。  僕の息が整う前に、耀くんが僕の服をキレイに直してくれた。  でも僕はまだ起き上がれない。  ほんとはこのまま抱いてほしい 「…ようくん…」  手を伸ばすと、耀くんが覆い被さるように抱きしめてくれる。 「ごめんな、碧。我慢ばっかりさせて…」  そう言って耀くんが僕の頬にキスをしてくれる。 「…もっとキス…、して…?」  見上げながらねだると、深く唇を合わせてくれた。何度も角度を変えて口付けて、頬や顎にもキスの雨が降る。 「碧、体育祭終わったんだよね。いい?付けても」  Tシャツの襟を少し引っ張って、耀くんが鎖骨のあたりを軽く吸った。 「…あ、う、うん。…いい、よ…。あっ…」  キツく吸われてちょっと痛い。でも嬉しい。 「腰に付けた痕も、薄くなってたね」  もう一度痕を付けたところにキスをして、耀くんは僕のTシャツの襟を直した。  そして僕をぎゅうっと抱きしめた。 「…抱きたいなぁ…」  耳元でそう囁かれて胸がきゅんとなった。  耀くんの広い背中に手を回して力いっぱい抱きしめる。  僕たちはコーヒーがすっかり冷めてしまうまで、そうやってずっと抱きしめ合っていた。  早送りされてるとしか思えない時計と暮れていく空が、すごくすごく恨めしかった。
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