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「…俺を煽った責任、取ってくれるんだったよね…?」    全部脱いで覆い被さってきた耀くんは、完全にスイッチが入っている。  ものすごく魅力的な、獰猛な笑み。  僕を抱いてる時だけ見せる、もう一つの耀くんの顔。  ぞくぞくしながら頷いた。 「…だから…はやく…」  むしゃぶりつくように口付けられて身体が震えた。  大きな手に容赦なく握られて、親指で先を軽く弄られただけで僕は達してしまった。  どきどきと鳴っている胸に耀くんが唇を落とす。  少し痛みを感じるくらいに吸われて、所有の印をあちこちに付けられていく。  膝に手をかけられて脚を開かれるのが久しぶりで恥ずかしい。 「…あっ、…ん…」  耀くんの濡れた指が奥の入口を撫でた。 「抵抗してるね、久々だから」  ゆるゆると入口を撫でる指がもどかしい。 「ようくん…っ、はやく…っ」 「駄目。ケガするから」  駄々をこねる僕に、耀くんがキスをしてくれる。  舌を絡めながら、慎重に指が僕の中に入ってくる。 「ん…っ」  ゆっくりと出入りする長い指。  入口を広げるように回されると頭が煮えそうになる。  増やされた指で内壁を探られて、一番いいポイントを何度も擦られて目の前を火花が散った。 「…ね、ねぇ、…ようくんっ、まだ…?」 「もう少し、ね」  そう言いながら、また長い指で僕の内側を撫でた。  くちゅくちゅと水音が聞こえてきて、気持ちいいけど切なくなる。  それじゃなくてって思ってくる。 「…ようくん、ねぇ…。…もう」  じわりと視界が潤んだ。 「ゆび、やだぁ…っ」  涙がぽろぽろこぼれてしまう。 「入れてほしい?」  太ももに熱くて硬いものを当てられた。  しゃくり上げながら何回も頷いて耀くんを見上げた。    悪い顔、してる  でもすっごい格好いい 「…いれて…?ようくんの…」  ずるりと指を引き抜かれた。  僕の体液と潤滑剤で濡れた耀くんの手が、僕の腰を掴む。  僕の性器からは、さっきからひっきりなしに先走りがこぼれている。  もう身体中べたべただ。  耀くんの先端が僕の入口にあてられて、期待感で息が止まった。  じわりと圧をかけられて、入口が耀くんの形に開いていく。 「…あ…んんっ。あっ、いい…っ」 「…碧は、この最初に入れる時が好きだよね」  少し息を切らせながら、掠れた声で耀くんが言う。 「…うんっ、うん…。…これ、すき…」  きもちいい…  呟いた僕を見下ろしながら、更に腰を進めていく。  身体の中が耀くんでいっぱいになっていく。  ぴったりと身体が繋がって、脚を耀くんの腰に巻き付けた。  少し息が荒くなる。  身体の奥に耀くんを感じながら、精悍な頬を撫でた。 「…ようくん、キス、して…?」  首筋に触れた指先が汗で湿る。  キスするために屈んでくる動きにも感じてしまう。  耀くんが、くっと息を詰めた。 「う…わ、やっばい…っ」  僕の両側に肘を突いた耀くんが「ちょっと待って…」っと、切羽詰まった声で言った。    いっちゃいそうなのかな。  それは、なんか嬉しい。  入れてすぐにいきそうになるぐらい、僕で興奮してるってこと、だよね。  …余裕のない耀くん、見れた。 「…ようくん、きもちい?」  広い背中を抱いて、腰に巻き付けた脚を少し締めながら訊いてみた。 「うん…。頭溶けそうだよ…」  ふぅっとため息をついた耀くんがキスをしてくれる。 「碧の中は最高に気持ちいい…」  馴染ませるように、耀くんがゆるく腰を動かした。  その動きで足が解けて大きく開いてしまう。 「…ちょっと久しぶりだから、あんまもたなそう。ごめんな」 「う、ううん…、だって…」  何回もするでしょ?って、心の中で思って、耀くんを見上げた。
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