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 後ろから当てられて、ぐぷっと耀くんが入ってきた。 「あ、あ、あ…っ」  上半身はベッドにべったりと(くずお)れたまま、おしりだけ上げた姿勢。  ゆっくりと奥まで入れられて、浅い呼吸を繰り返しながらシーツを掴んだ。  この体勢も、初めて 「碧、痛くない?」 「…う、うん。…だいじょ、ぶ…、あ…っ」  背中に口付けられて声が引き攣る。背中の皮膚が耀くんの笑う気配を伝えてくる。 「やっ、あっあっ、あ…っ」  熱い舌がぺろりと僕の背中を舐める。  そして痛いほどの口付けを何度もされた。  いっぱい痕、付けられてる  他人(ひと)に見せられない身体にされていく  見てもいいのは僕の耀くんだけ  こんなことをするのも耀くんとだけ  ゆるゆると後ろから突かれて脚も腰もびりびりする。  耀くんの汗が背中に落ちて、僕の汗と混ざって身体を伝い落ちる。  2人分の汗と体液でシーツが湿っていく。 「あ…っ、いい、ねぇ、ようくんっ、も…っと…っ」 「もっと?速く?奥まで?」  少し意地の悪い声音。  わざとゆっくり出入りして僕を焦らしてる。  耀くんが動くたび、脚の間で先走りがたらたら垂れるのが見える。 「…ど…どっちも、…して…?」  甘えた声で、甘えたことを言う。 「欲張りだなあ、碧は」  くすっと笑ってから耀くんが僕の腰を掴み直した。  ぐっと奥まで突かれて息が止まる。  リズムが速くなって頭がガクガク揺れた。  2日間で何回抱いてくれる?  何回したら責任取ったことになっちゃう? 「あ…あ、んんっ」 「すごい、碧。これも上手…っ、やっばいな」  気持ちいいから腰が勝手に動いちゃう。  後ろから聞こえる耀くんの息が荒い。 「…ようくん…も、いい…?」  揺さぶられながらどうにか訊いた。 「いいよ。めちゃくちゃ気持ちいい…。碧の内側吸い付いてくる。分かる?」  ううん、と頭を振って応えた。それより見え始めた頂点に昇りたい。  あともうちょっと激しくしてほしい。 「ようくん…、も…、いきたい…」  首を捻って後ろを見ながら懇願した。 「うわ、いいね、そのお願い。でもどうしようかなぁ」  そう言いながら緩めに腰を回されて、奥の方がじんじんする。  すごく気持ちいいのが続いてて、でもあとちょっと足りなくていけない。  精一杯身体を捻って、後ろから僕を(さいな)む耀くんを見上げた。 「…おねがい、…いかせて…?」  耀くんが目を見張った。 「あ…んっ、おっき…」 「も、堪んない。やばい。バカになりそう…っ」    なんでそんなに可愛いんだよって言われても、そんなの知らない。  腰をしっかり掴んだ耀くんが、速く、強く僕を揺さぶる。  ぐずぐずに溶けた内壁が水音を立てる。  うっかり振った炭酸水のペットボトルを開けたみたいに、快感がぶわっと迫り上がってきた。 「あ…、も…、いく…っ」  ぱたた、とシーツに白濁が飛び散っていく。  その間もまだ揺さぶられ続けて、不安定な性器が精を吐き出しながらゆらゆら揺れる。  膝の力が抜けそうになった僕を耀くんが支えて、ぐいっと奥までねじ込んで動きを止めた。  耀くんの荒い息と汗を背中で感じる。  身動(みじろ)ぎすると「待って」と押さえられた。  繋がったままの場所がじくじくしてる。  そのじくじくと(ただ)れたようなところから、熱い液体がこぼれ出てきた。  内ももを伝うぬるい感触。  …2回目  胸がどきどきしてて、ちっとも呼吸が整わない。  まだ…足りない。もっとしたい。  僕は今ちょっと壊れてるのかもしれない。  ネジ、ゆるめすぎて飛んでっちゃったのかな  もう一回身体を捻って耀くんを見上げた。  少し動くと中に出された精液が流れ出る。  入口がひくひくしてるの、分かる 「…ねぇ、…ようくん…。もっかい…して…?」  耀くんから見た僕はどんな風なんだろう。 「ちょっ…、何のご褒美だよ。すごいんだけど…」  耀くんの驚いた顔、かわいい。  でもまた、悪い顔が見たい。  他の誰も知らない意地悪な顔で、もっと僕を抱いてほしい
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