わたしとゆうくん

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「あ、それわたしの!ドロボー!盗らないでよ!」 わたしは美山一香(みやまいちか)で、昨日で7歳の小学校1年。学校にも少しずつなれて毎日 ワクワクしながら行っている。 仲良しのお友だちもできたし。 でね、わたしには2歳の有二(ゆうじ)っていう 弟がいるの。 家族は"ゆうくん"って呼ぶ(わたしは"お姉ちゃん"か"いっちゃん"って呼ばれる)。 ゆうくんの事はもちろん大好きだけど、最近のゆうくんはイタズラばっかり。 ママは「遊んでるんだよ」って言うけどわたしのお気に入りのプリンセスのお人形を投げたりするからやめてほしい。 今もわたしがお誕生日に買ってもらったネコちゃんの動くおもちゃを盗ったの! わたしが遊んでたのに! 「ゆうくん、返してよ! 」 わたしがそう言ってもゆうくんは聞いてくれない。自分のだって顔してる。 「もう!ゆうくんとなんて遊ばない!!」 その声にキッチンに居たママが来た。 「どうしたの?!大きな声だして…」 「だって、ゆうくんがわたしのネコちゃんのおもちゃ…わたしが遊んでたのに~」 わたしはそう叫ぶとボロボロと泣いた。 わたしが泣いているのをゆうくんは見て ゆうくんもボロボロと泣き出した。 ママは「もう~」と言いながらわたしたちの頭をナデナデしてくれた。 撫でながらママはゆうくんに言ってくれた。 「ゆうくん、お姉ちゃんがそのネコちゃんと遊びたいんだって。お姉ちゃんにどうぞ出来るかな?」 ゆうくんは最近少しずつ言葉を覚えて話したり出来るようになった。 でもきっと今のは分からないよ…そう思っていると、ゆうくんが涙目のままわたしの頭をナデナデしながら「…んね」「…んね」と言っている。???何?? 「ゆうくん、お姉ちゃんに"ごめんね"って言ってるんじゃない?」とママが。 次にゆうくんはさっきのママの"どうぞ"が分かったみたいでわたしに「はい、どうぞぉ~」と言ってネコちゃんの動くおもちゃを返してくれた。 ゆうくん。 わたしは涙を手で拭くとゆうくんに言った。 「ゆうくん、ドロボーって言ってごめんね。 遊ばないって言ってごめんね。ありがと。 ゆうくん、一緒に遊ぼう!」 ゆうくんは、可愛い顔でニッコリと笑った。 ママも笑った。 わたしも笑った。 ケンカもするけど、 やっぱりわたしの大好きな弟。 今日も明日もずっーと、わたしはゆうくんと 一緒に遊びます!
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