最終章 挑戦状

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その仮定に基づけば、“curryの前”というメッセージが指すのは、“love”と、僕とユキさん2人の名前。 であれば、このフレーズの意味は、自分でいうのもなんだけど、“yt-love”の意味は、 “yはtを愛している” もしくは “yとtは愛し合っている” という意味なんじゃないだろうか。 そう思い始めたら、もうそれが正解のようにしか思えなくなってきた。 てか、もうこれが正解であってくれ。 てことで、残す謎解きはあと一つ。 『3枚目のキセキ』 これも、僕とユキさんに関するエピソードに違いない。 僕は、二人の出会いからユキさんが消えるまでの二人で過ごしたすべてのエピソードを、もう一度ゆっくり思い返してみることにした。 そして、それから15分後。 僕は一つの結論に至っていた。 ---3枚目のキセキって、これだ。きっとこの時のことだ…。 その該当するであろうエピソードを探りあてた僕が、ユキさんからの挑戦状への全ての謎を解いたと確信を持った、ちょうどその時。 ユキさんのインスタアカウントに、新たな投稿が。 それは、また文字だけの味気ない投稿。 でもそのメッセージは、僕にとって、最も重要なメッセージだった。 僕はそれを何度も読み返し、涙を流しながら何度も何度も、頷いた。 急に消えたくせに、こんなに僕を振り回して、挙げ句の果てに僕を泣かせるなんて、前から知ってたけど、やっぱりユキさんは勝手な人だ。 やっぱり、僕はユキさんのことが嫌いだ。 大っ嫌いだ。
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