7.幸せと真実

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「それは、恐らく俺の祖父が指示したことだ。俺の両親は、祖父から結婚を反対され離れて暮らしていた。両親の事故死をきっかけに引き取り育ててくれたのは祖父だった。そして、祖父の仕事を引き継ぐため、目立たないよう父親の藤沢姓を名乗り経験を積んでいた。祖父にとっては俺を後継者として育てたかったんだろう。亜澄を排除したのもそのせいだ。だが、阻止できなかった俺にも責任がある。長い間苦しませてしまって、ごめん」 「紘登……」  視界が潤み、目元から自然に暖かいものが流れ、頬を濡らしていた。 「だから、もう永久に悲しませたくない。ずっと一緒にいてくれないか?」  紘登の大きな手が、次々に溢れ出るものを拭ってはくれているけれど、まるで追いつかない。 「ほら、そんなに泣くとせっかくのプリンセスが台無しだ」 「でも……私が紘登のそばにいると、迷惑が……」  紘登が力強く抱き寄せ、顔を近づけると、視線から逃れられなくなった。 「今後、誰にも文句は言わせない。嫌だと言っても、この手は離さないから」  宣言通り、がっしりとっした腕に捕まった私は、抵抗することを諦めた。 「亜澄を連れて行きたい場所がある。そこへ行けば、わかってもらえると思う。この撮影が終わったら、三人で一緒に行こう」  私は紘登の言葉の意味が分からず、ただ彼を見つめていた。
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