8.これからを刻むとき

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 結婚式はシャイニーワールドを貸し切って行われた。彗星の城の前には、たくさんの列席者が集まり、ウエディングドレス姿の私と、その隣には黒のタキシードに身を包んだ紘登が立っている。フラワーガール役のピンクのドレスを着た千帆は、いつも以上にはしゃいでいた。 「おめでとう~!!」  列席者が一斉に花びらを二人に向けて放ち、頭上へ雪のように舞っている。兄や両親も駆けつけ、お祝いの言葉をたくさんかけてくれた。特に、今日を楽しみにしていた兄は、式の間中ハンカチで目頭を抑えていた。  式を終え、今夜はシャイニーホテルのスイートを特別に用意してもらった。千帆は疲れて夕方には眠ってしまい、紘登がベッドに横たわらせてくれる。 「こんな風に亜澄と子どもの寝顔を見れるなんて……幸せだな」 「私は千帆を見つめてる紘登が見れて、とっても嬉しい」  しばらく二人で千帆の顔を見つめていると、紘登がいきなり私の頬にキスしてきた。 「さぁて、次はもう一人のプリンセスの番だ」  私の体を引き寄せると、軽々と抱き上げる。そのまま二人のベッドルームまで歩き出した。 「紘登……私まで寝かしつけるの?」 「まさか。今夜は亜澄を寝かせるつもりはないよ」  紘登が唇を重ねると、長い長いキスを私に送りながら二人でベッドに沈んでいく。彼の腕に抱かれながら視線を交した。 「長い間、待ち望んだ日が来たな」 「紘登と会えない間、時々夢に見ていたの。こんな日が来るとは思わなかった」  彼の手が伸びて、私の頬をそっと触れる。そして耳元で優しく囁いた。 「夢じゃないよ。これからも、ずっとね」  それから熱くて甘い夜は一晩中続き、窓からキラキラした輝きが反射して、私たちを優しく包み込む。  その輝きは、まるでこれからの幸せな日々を祝福してくれているかのように、いつまでも続いた。                                                                                   (END)
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