夜叉鬼の鈴

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「お前はここで待っているように」 軽蔑では無く心底嫌っている目と声。 ずっとそういうものにさらされているので、鈴は顔色一つ変えずに礼を言うと頭を下げた。 だが一体何が起きているというのか。 父親に命令され、自分は捨てられたのだとわかった。 それでもあがこうとしていればあやかし達に襲われ、最後は誰かに連れ去られた。 藤谷家もそれなりの家だが、ここの屋敷はおそらくかなり上の身分のところだろう。 座ったまま、助けて貰った礼を言えば返して貰えるのか不安になっていた。 障子が音も無く開く。 その障子を開けた男は頭を下げ、その前を金の髪の男が入ってきた。 腰まである金糸のような髪、整った顔立ち。 目はつり目だが意志の強さを表すようだ。 身長も高く、年の頃は二十歳頃に見えた。
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