夜叉鬼の鈴

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「そんな身体では何も出来ないだろ。 たんと食え」 「ありがとうございます」 アスラの前には真っ白な飯。 早々見られるものではない。 鈴の前には粥が置かれ、随分と胃に食べ物を入れていなかった配慮だ。 ゆっくりと噛みしめるように食べる鈴は、まだ時折泣いている。 それをアスラは満足そうな顔で眺めていた。 「腹は膨れたか」 「はい」 「ならば寝ろ。 寝ていないのだろう」 アスラは鈴の前でしゃがむとそんなことをいうので鈴は困惑する。 私は一体どうしてこんな事になっているのだろうかと。 「もしかしてここは極楽浄土ですか?」 こんな幸せ、私にあるわけが無い。 目の前に居るのは神のように美しい男。 鈴の真面目な表情にアスラは一瞬あっけにとられたが、あははは、と声を上げて笑い出した。
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