夜叉鬼の鈴

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鈴の頭に大きな手が乗る。 目を開けると面白そうにアスラは鈴を覗き込んだ。 「俺はお前のように貧相な子供など好みじゃ無い。 どうせならもっと成長してからにする」 「私を食べられるようになるまで置くのですね」 腹をくくったかのような鈴に、アスラは先ほどまでの強さはどこにいったのかと不思議に思う。 だが鬼の住み処に連れてこられ、いくら陰陽師であっても弱い自分が闘えないことを理解しているのだろう。 アスラはそんな鈴の頭を乱暴に撫でた。 「お前、足を怪我しているだろう。 そのまま出てもまたあいつらの餌食だ。 治るまでせめてゆっくりしていくといい」 戸惑う鈴をアスラは片腕で抱き上げ肩に乗せる。 驚いた鈴はひし、と金の髪を握った。 「痛い」 「ごめんなさい」 慌てて肩の辺りの生地を掴む。 アスラが部屋を出ようとすると勝手に障子が開くのだが、そこにはシグが控えていて鈴を睨んでいた。
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