夜叉鬼の鈴

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「暇だったからな」 「貴方は鬼を統べる者です。 むしろ陰陽師など全て殺すべきでは」 ゾクリとシグは前にいる主の妖気が高まったのに気付く。 アスラは目を細め笑みを浮かべていた。 「あんなもの、勝手に共食いするだろう。 何故俺が気にせねばならん」 無邪気に子供のような顔をすれば、鬼本来の冷酷さを簡単に表に出す。 こういうお人だった。 シグは恐怖しつつも安心して頭を下げる。 「失礼致しました。 この者を布団に寝かせて参ります」 アスラはそれを聞いて目線を少しよこすだけでその場を離れた。 「この頃のご様子を考えれば、ひととき楽しまれるくらい構わぬか」 シグの独り言は誰もいない廊下に消えた。
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