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「まだ何か動きは無いのか」
次郎は苛立ったように部下の陰陽師達を見回すが、皆こわばった顔のままだ。
鈴が捉えられもう一ヶ月も過ぎた頃、屋敷周辺にも何の変化も無いと部下達から報告を受け次郎は自分の考えと違う状況に苛立っていた。
鈴が何かするのかと思えば未だ力は弱いまま。
必死に次郎に取り次いで欲しいという鈴の願いを次郎は蹴って、あの日以降会ってはいない。
あやかしが様子を見に来るかと思えば来てもいない様子。
一体何が目的なのか。
次郎はそれをはかりかね、そろそろ次の罠を仕掛けるべきかそれとも別に利用すべきか考えていた。
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