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あやかしに食われるのは陰陽師として恥。
拾って貰ったお父様に迷惑がかかってしまう。
これ以上恥をさらさぬよう、せめて自分で。
鈴は覚悟を決め自分の首に短剣を突きつける。
震えている手に力を込め、鈴は目を瞑った。
「強情な」
力一杯動かした手が誰かに掴まれ動かない。
目を開ければ、暗闇に長い髪が揺れているのがわかる。
月の光が当たり、その髪は金糸のように広がった。
それはまるで、神が自分の元に降臨したかのごとく神々しい。
「俺の巣に入り込むとは良い度胸だ」
ドスのきいたような声に鈴の身体がビクリと動く。
だがそれは鈴にではなく周囲のあやかしへの言葉。
「な、なんでこのようなところまで」
「屋敷から出てこないのではないのか」
あやかし達は声しか聞こえないがかなり動揺し、じりじりと距離を開けている。
金の髪の男は周囲を鋭い目で見渡し、
「今度入ってきたら全て殺す」
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