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その一言であやかし達は恐れおののいた顔をし一瞬で消えた。
目の前のあやかしが、先ほどまでいたいくつものあやかしが足下にも及ばないほど強いあやかしだとわかる。
鈴はこんな妖力の強いあやかしに初めて会い、肺が押しつぶされたように呼吸しにくい。
足下で小さく震える人間の子供に、男はじっと見下ろしていたがおもむろにしゃがんでジロジロと鈴を見た。
「とりあえず風呂と飯だ」
そう言うとあっという間に鈴を肩に担いだ。
米俵か木でも担ぐように。
そして風のように木々の間を走り抜ける。
鈴は衰弱していたことと強い妖気に当てられ気を失った。
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