桜の下で死んだ

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これだけである。 奴との会話は、これだけである。 出会いと、くしゃみをしたときと。 あぁ、そうだ。 一つあった。 奴は最期に言っていた。 『またね』 またね、と。 今でも思う。 奴は、嘘つきだった、と。 だがそれでも、一つぐらいは真実を言ったって良かったじゃないか。 桜は、まだ咲かないのだから。
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