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「嘘!?本当!?!」
「う、うん…なんだかごめん」
翌日私は七瀬に昨日の出来事を伝えた
七瀬はもしかしたら怒るかも知れなかったけど、黙っているわけにはいかない
だけど私の考えは杞憂に終わった
「何言ってんの!ちさと同じ会社で働けるんでしょ!?めっちゃ嬉しいんだけど!!」
「…良かった。怒るかもって思ってた…」
七瀬の明るい反応に私は胸を撫で下ろす
「何それ!怒るわけないじゃん!だって昔から言うでしょ!運も実力の内って!」
「まあでも、いい気しない人はいるよね」
「そりゃいるでしょ。てかそっちが多数かもね…だからそれは誰にも言わない方がいいよ。私も絶対に言わないから!」
「うん。そうする…」
「いやーでも、そんなシンデレラストーリーってあるんだね。しかもそれが私が受かった会社の社長なんて…奇跡みたいな確率だね」
「ドラマだよね…未だに信じられないよ」
「これでちさがその社長と付き合って結婚したりしたらほんとのシンデレラだね!」
「…それはないでしょ」
「分かんないじゃん!向こうだってもしかしらそういうつもりだったかもだし?」
「何歳離れてると思ってるの?お父さんくらいの年齢だよきっと…」
「大人になったらそこまで気にならないと思うよ。うちの親も結構歳の差あるし」
「そんなものかなあ…」
「え?この人!?」
七瀬が持ってきた企業案内のパンフレットには、春宮さんが載っていた
改めてそれを見ると、本当に凄い人なんだなと認識させられる
「うん。この人」
「めっちゃかっこいいんだけど!!ちさずるい!!」
「そっちはズルいって言うんだ…」
「当たり前だよ!うわあ、羨ましいなあ!」
「別に何でもないんだけどね」
「今三十七歳だって!見えなくない!?この人なら全然アリだよ!!」
「七瀬って年上好きなんだね」
「まあ年下よりはね。ちさは?」
「私は…分からないかなまだ」
今は恋愛よりもお金を稼ぐことの方が大切だし…
一日でも早くお父さんを楽にしてあげないと
「案外ちさには年上が合うと思うけど」
「何で?」
「ちさって頑張りすぎて無理するタイプじゃん?包容力ある人の方がいいと思うな」
「私無理するタイプかな?」
「だと思うよ」
「…気を付ける」
「仕事も頑張らなきゃだけど、無理しすぎて身体壊すのとかはやめてね」
「七瀬もね」
「だね!あー、今から楽しみになってきたなあ!」
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