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「まさか本当に存在するなんて……。 でもだったらなんで俺のところに? 自分で言うのもなんだけど、俺は特に取り柄の無い普通の人間なんだけど……」
「貴様の質問に応える権限は与えられていない。 貴様はただこちらの問いに応えればよい」
有無を言わせる気はないらしい。
とてつもない気迫だ。
ここは素直に従っておいた方が無難か。
「……わかった」
「ふむ、流石は主神が求めた人間だ。 物わかりが良い」
主神と言ったら神々のトップだよな。
なんでそんな神様が俺を求めるんだろう。
まあ訊いた所で応えないんだろうけど。
「では舞鶴六花に問う。 貴様は我らに選ばれた、次の人類を担う一人である。 ゆえに貴様には取捨選択の権利が神により与えられた。 それらを理解した上で答えよ。 これより三日後に行われる審判の日にて、愚かなる人類と共に運命を共にするか。 それとも我らと共に、新世界を迎えるか。 答えるがよい、選ばれし者よ」
「な……なに?」
神の遣いの言葉に、俺は冷や汗を浮かばせる。
なにしろ彼女が言ったのは、神話などで有名な審判の日、だったのだ。
審判の日は最後の審判とも並べられる、人類を選別する儀式だ。
殆んどの人類を殺し、一部を残して世界そのものをリセットする義。
それが三日後、だってのか。
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