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終焉への序章
「ねえねえ、六花ー。 明日さ、東京まで神の柱見に行かない? 丁度日曜日だし」
明日には神々が人類を滅亡させるかもしれないのに、わざわざその神々の建造物を見に行こうだなんて頭おかしいんじゃないか、お前は。
と、ツッコミどころ満載な事を言い出したこの少女の名前は、菜乃花咲。
天真爛漫な笑顔に、常に揺れるお茶目な茶毛のショートカット。
つぶらな瞳を爛々に輝かせるのが似合う幼馴染みの女の子だ。
「人の部屋まで勝手にやって来て何を言うかと思ったら。 咲、お前な……東京まで何時間掛かるか分かってんのか?」
「うん、五時間だよね」
こいつ、調べてから来やがったな。
「そうだ、五時間だ。 なら俺が次に言う言葉は分かるな?」
「もちろん! 幼馴染みだからね! 咲みたいな美少女とのデートを断るはずないだろ? 今日の深夜バスでイチャイチャしながら行くか、でしょ?」
「勝手に人の言葉を捏造するな! 絶対言わないよな、それ!」
「ちっちっち、六花は自分の事を分かってないなぁ。 六花も心の底ではわたしが好きで好きで仕方ないハズなんだよね。 だから代わりに言ってあげたんだよ? わかった?」
好きで好きで仕方ないのはお前の方だと思うが。
「バカなの?」
「いいえ、美少女です」
なんなのこいつ、自分に自信ありすぎてちょっと引く。
まあいつもの事なんだけど……。
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