ヴァンパイア

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ヴァンパイア

 ヴァンパイアが好きだ。  ヴァンパイアほど“美しく風変わり”な存在なんて、他にそうはいないだろうと思う。  アメリカのテレビドラマにはまって、このところ眠れない日々が続いていた。  ヴァンパイアばかりが出てくるドラマなのだけれど、ホラーではなくコメディだ。それもなんてもんじゃなく、とんでもなくおかしい。夜中に何度も大声をあげて笑ってしまったほどだ。共同生活を営むヴァンパイア達を描いたそのドラマは、ブラックユーモア満載で、日常系で、過激で時に哲学的で、それにゴシックムードたっぷりで、とにかく最高のドラマだった。  そもそもぼくはヴァンパイアものが好きだし、ドラマを観はじめたのも、タイトルに“ヴァンパイア”の字が入っているからだった。
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