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神殺し
貴方の心を肯定し始めて、−1日目。
其れが心を縛る枷になることくらい、最初から分かっていた。
だけれど、敢えてその道を選び、夢を重ねるのは罪か?
復讐心でも恨みでもないと云えば、私は国を追われるのだろうか。
エンドロールにダンスを捧ぐ私は不気味だろうか。
だけれど、私は感情と呼ぶ位に理性的で、冷静だった。
2人で神を裏切ろうと誓い合ったあの頃とは違う。
ロマンチックな心を殺してしまったみたいに、
今の私はあの月夜の景色、記憶の上に座っていた。
貴方が神を裏切るには、私が必要で、誰よりも要らなかった。
創作が、心のガソリンだったんだ。
ならば、私がその世界を作り替えて仕舞えばいい。
貴方の欲した世界を撫でて、
貴方の欲した世界を、握り潰すの。
そうして、私が貴方の神に成り代わる。
この世界で貴方だけの、神になる。
創世記は、貴方のものだよ。
嫌悪よりも美しい愛を探していたんだ。
心から溢れる藍色を。
私もその世界で、貴方の心の中でたった1人、生きていけると想うから。
私はあなたの神をこれから殺す。
8月13日 貴方は私のいない世界で、此れを読む。
君のそばでいられるなら、私は正義なんかいらない。
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