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朝の初対面
彼と会ったのは朝六時すぎ。
よりにもよってジョンが電柱にマーキングしている時だった。
夏休みは明けたけど、朝の日差しはまだ強い。
昨日は雨が降ったので道端の草も路面も朝の光を受けてきらきらしている。
寝ぼけまなこの私は、「ジョンまだかな……」と考えてて、走ってくる彼に気づくのが遅れた。
「伊藤さん?」
「はい」
反射的に返事して、声の主を見る。
顔を見て、「同じクラスの森君だ」と認識するのに数秒かかった。
はっ、はっと息を切らしている彼は制服じゃなくて、Tシャツに短パン姿で、それはこっちも同じで、バグってるみたいな妙な感覚だった。
「……おはよう」
「おは、よう」
彼はどたどたと走り過ぎた。
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