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第二章 謝罪
「紗枝ちゃんと会うの、ほんと久しぶり。
ずっと、ずっと、逢いたかったのよ」
静江はキッチンでお茶を入れながら言う。
紗枝は胸がギュッと締め付けられた。
「お母さん‥。
お母さんに謝りたい事があるの。
その為に来たの」
それを遮るように静江が言った。
「私から謝らせて。
元々、お母さんが悪いんだから」
静江は正座をして、両手をつき、頭を床につけた。
「紗枝ちゃんの口座から勝手にお金下ろしてごめんなさい。
そのお金で海外旅行に行って、殆ど使っちゃったの」
紗枝は静江の肩に手を置いた。
「いいのよ、お母さん。顔を上げて。
私こそ、怒りすぎた。ごめん。
もう、怒ってないから」
「お母さん、この事で紗枝ちゃんに出て行かれてからずっと後悔してたの。
だから、ちゃんと謝らせて。
本当に、ごめんなさい」
「いいよ。
私が生まれてから、ずっと旅行らしい旅行してなかったでしょ？
私からのプレゼントと思って。
それに‥」
紗枝は、家を見渡して言った。
「私が出て行ったのは、お母さんのせいじゃない。
この家にいると思い出すから。
お父さんの事」
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