3.愛情に見える友情を

3/9
前へ
/140ページ
次へ
「なんだよ。話してるじゃん。俺の合いの手も無視して一人でベラベラと。」 「いやいや、なーに言っちゃんてんのかな?田口くん?」  俺は呆れ顔で戸本を見る。 「もう木原さんに知ってもらった方がいいんじゃない?」  そうだ。もう伝えてしまえ。それでスッパリ振られてしまえ。既婚者の呪縛から抜け出すのだ、勇者戸本。  俺の心の声が聞こえたかのように、戸本がサーッと青ざめる。 「田口、お前間違ってるぞ。それはダメだ。すべてが終わる。」 「終わんねーよ。大丈夫。始まるから。」 「ダメだって!終わんだよっ!んでもって俺は終わらせたくないっ!」 「もういい加減ウジウジすんの疲れたろ?大丈夫だよ。お前かっこいいんだし。きっちりけじめつけて、新しい未来を手に入れろ。」 「嫌だって!!」
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加