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「俺さ、今、すんごい悩んでてー。」
「・・・。」
「人生とか、愛とか、結構壮大なテーマなんだけどー。」
「・・・。」
「なかなか端的に伝えられないから、メシ食いながらにしようか?」
そそくさと帰り支度をして俺のデスクに近づき、笑顔で
「何食う?」
と訊ねられ、真顔で相手の顔を見上げる。
「無視をしても構ってもらっているとみなす輩には、どう対処すればいいんすかね?」
「さあ?田口の知り合いにそんな奴がいるの?めんどくせー奴だな。」
「おう、戸本っていうんだけど、知ってる?」
「あは、俺と同じ名前だ。親近感湧いちゃうー。」
「お前、本気でうざい奴認定するぞ。」
「ね、何食う?」
「おい。」
「ホテルのケーキバイキング行くか。」
「キモイよ。色々、キモイよ。」
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