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 切れ長の目、薄い唇、こけた頬、浅黒い肌。「精悍」という印象を受けた。淡々とした動きであるが、てきぱきとしていた。「この人なら何とかしてくれるだろう」と思わずにはいられなかった。  翔一の心臓は、再び激しく動き始めた。胸を破り飛び出さんばかりの勢いで波打つ。汗が頬を伝う。喉が塞がりそうなくらい乾く。何度も小さな咳払いをした。  その時、「おじゃまします」と救急隊員が二人入ってきた。  それぞれが赤、白と大きさの異なるバッグをたすき掛けにしている。赤いバッグのほうは、もうひとつ、細長い銀色の箱を重そうに持っていた。二人を通すために、翔一は一歩下がって身体を引いた。  先に入ってきたのは、身長百七十二センチの翔一と同じくらいの背丈の隊員。俺とそんなに変わらない年齢ではないのかと思うくらい童顔だった。若すぎね? と思ったが、社会人なのだ、若く見えるだけなのだと得心した。それにしても、三十歳にはなっていないだろう、大丈夫かよと脳裏を不安がよぎった。  赤バッグのほうは、やや小太りのおっさん救急隊員。背も低い。翔一の目線にヘルメットがあった。
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