クリスマス

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水族館についてすぐに目を奪われた。 水族館の玄関はwoodを使った骨組みが素晴らしい建築物だった。水族館の中もwoodと緑がふんだんに使われており、照明が工夫され、ガラスばりの水槽が映える構造になっていた。 俺は莉音に興奮しながらまた建築について話しだす。 莉音は、俺の喜んでいる顔をみて終始笑顔だった。 水族館を出ると水族館の敷地内にイルミネーションがデザインされていた。ペンギンが中に放されており、俺達は、ペンギンと一緒に写真をとってもらった。 また一枚莉音と2人だけの思い出ができて嬉しかった。この時の俺達は、周りの目とかそういうのはどうでもよかった。 水族館の後はまた電車に乗った。帰る前にまた寄る所があるらしい。俺の地元の駅についた。 「ん?ここで降りるの?俺の家の駅なんだけど……?」 「知ってる……」 莉音は、俺の顔を見て声を出して笑う。 「え?俺の家?」 「ふふふ。違う……まだ秘密」 俺は意味がわからず、思い当たる事もなく、莉音に何度も聞くが教えてくれなかった。 段々山に登っていく。莉音はここの土地勘があるのか?と不思議な気持ちで莉音についていった。 到着したのは、俺が昔からよく遊んでいたあの丘のブランコがある俺のお気に入りの場所だった。 「え?ここ?莉音なんでこの場所知ってるの?」 莉音は、熱い眼差しで俺を見つめて話しだす。 「俺の思い出の場所だから斗愛を連れてきたかったから……」 「え?」 「俺昔ここで泣いてたら、知らない男の子がきて、大丈夫だよ。かわいいよ。って言ってくれて。数日だけだったけど遊んだんだ。別れまぎわに、ずっと僕のこと好きだよ。って約束してくれたの……」 俺はびっくりした。莉音の話しの内容は、俺には光景も話しの内容も覚えがあったから。 だって俺の初恋……あれは女の子だったし……でも、この場所は誰にも言ってない。本人しか知らないはず……。 「え?もしかして莉音だったの?あの子?」 「……そうだよ。姉達が俺を女の子みたいだって服とか着せて遊んでて、友達に気持ち悪いってイジメられた後だった。親戚の家にきてたから、数日しかこの街にはいなかったんだ。 斗愛からあの時の話しを聞いた時はすごく嬉しかった。俺ももちろん覚えてたから。 あの話聞いた時は、あの時の女の子は俺だって告白するつもりはなかったけど、今両思いになって、どうしてもあの時の子は僕だっていいたくなったんだ。 昔の俺のこと気にしている斗愛が嫌だった。俺が昔の俺に嫉妬してまって……。斗愛に昔の俺よりも今の俺の方がいいって思ってほしかったから」 俺はびっくりしたが、何となく莉音の話しを聞いて腑におちた。 「莉音だったんだ……。そしてまた莉音好きになったんだ俺……どれだけ莉音のこと好きなんだろう。 俺は莉音の姿が好きなんじゃなくて中身が好きなのか……どんな莉音でも好きってことがわかってよかった」 俺は心から笑った。 「斗愛……」 俺はあの時の場所で莉音を抱きしめキスをした。 もう出会えないと思っていた女の子は莉音で、また奇跡的に出会えた。そして奇跡的に心も通じた。 今日でまたここの思い出が塗り替えられた。
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