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屋上
あれから数日たった。風は冷たいが、陽ざしが暖かいそんな日だった。
たまには屋上で昼ごはんを食べようと莉音を誘った。莉音は喜んで俺についてきた。
俺は菖蒲と別れたことを莉音に報告した。
莉音は、びっくりした顔をした。
「何で別れたの?」
「……好きな人できたから……」
「……え?誰……?」
心配そうな顔で莉音は俺の返事を待つ。
「……莉音……」
莉音は返事をきくと俺をすぐに抱きしめた。
俺は、誰かに見られてないか焦ってすぐに離れようとしたが、全くびくともしない。
「嬉しい……斗愛……。俺……我慢してたのに。そんな言葉聞くともう押さえきかなくなる……」
「俺……男好きになったの初めてだから、どうしたらいいかわかんないけど……。俺も好きだから抑えなくていいよ……」
2人しかいない屋上で、心通わせたキスをした。
莉音は好きな人には男を出す。俺しか知らない莉音。
俺は莉音のキスに一生懸命ついていく。
莉音にキスされている時に垣間見る俺を見下ろす冷たい目にまたゾクゾクした……。
あの目で見られると何でもいうことを聞いてしまいそうになる……。
俺は縛られる……。
ちょうどチャイムが鳴り莉音は、残念そうに俺を解放してくれた。
そんな莉音がまた可愛いと思った。
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