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クリスマス
冬休みにはいり、いよいよクリスマスになった。
莉音と俺は駅のコンコースで待ち合わせをしていた。
街は沢山のカップルで溢れている。俺達もその中の一組だと思うとなんだか嬉しくなった。
今日は街も一段と騒がしく色んな音が溢れていた。
ちょっとおしゃれをしてきたつもりだったが、前から歩いてくる金色の髪のおしゃれなイケメンはまっすぐに俺の前まできて笑顔になる。
「待たせてごめんね。斗愛……おしゃれしてきてくれたの?カッコいいよ。ありがとう……」
「勝手に俺が少し早かっただけだから、莉音は遅れてないだろ。これからどこ行くの?」
「ふふ。とりあえず今から電車乗ります。だから集合場所駅にしました〜」
莉音はにこにこしながら、俺に電車に乗るように言う。座席に座り景色を見ながら話す。
「今から水族館に行きます。有名な建築家さんがデザインしてオープンしたんだって。知らない?斗愛は魚よりも建築の方が興味あると思って」
俺はそれを聞いて目を丸くした。
最近オープンしたばかりの水族館は、有名な建築家が作ったおしゃれなデザインで、生き物の見せ方がまた斬新らしい。
新しいタイプの水族館として最近有名になっていた。俺が建築好きなのを覚えていてこの場所を選んだんだろう。
ーー俺が喜ぶことだけを考えたんだろうな……
俺は莉音の想いが嬉しくなり、横に座っている莉音にもたれかかり、耳もとで周りに聴こえないように小さい声で言った。
「ありがとう。すごく嬉しい。莉音……俺はお前と過ごせれば、ただ座っているこの時間だけでも嬉しいし楽しいんだよ」
莉音は恥ずかしそうに笑い、俺の頬にキスをした。
俺も莉音も誰にもバレてないかそわそわしながらも、相手に少しでも触れていたいそんな気持ちだった。
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